ことば力を磨く①「読む」
2020.05.29
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こんにちは!こんばんは!おはようございます!
札幌でフリーデザイナー・コーダー・コピーライターとして活動しています、わたるデザイン企画の五十嵐です!
「ことば力を身につけるシリーズ」の第三回は『ことば力を磨く①「読む」』です。
前回「ことば力の磨き方」の中で、ことば力を身に着け磨くために必要なのは「読む・書く・聞く・話す」の4つであるというお話をしました。
今回はその中の1つ目にして、一番重要な「読む」という段階について詳しくみていきましょう!
たくさんの言葉に触れること
「読む」とだけ言うと「読書のことかな?」と思うかと思いますが、ここで言う「読む」とは「言葉に触れること」を指します。
もちろん本などを読んで言葉に触れることでもありますし、テレビやラジオ、今ならYouTubeなどの動画サービスなどで他人の使う言葉に触れることも含みます。
「それなら“聞く”じゃないかっ!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、「聞く」という段階は別にあり「読む」段階のそれとは意味合いが少し違うので、ここでは耳を使って言葉を聞くことも全部ひっくるめてとにかく「言葉に触れること」が「読む」だと考えてください。
そして大切なのは「たくさんの」言葉に触れるということです。
日日辞書を引く
みなさんは「英英辞書」というものを手に取って開いたことがあるでしょうか?
英英辞書は、英単語(熟語)の意味が英語で書かれているものです。わからない英単語を英英辞書で調べると、そこにもまたわからない英単語が出てくるのでその単語を調べる、さらにわからない単語が出てきて………と、とにかくたくさんの英語に触れながら意味を理解していく流れから、英語の学習をする上では効果的だと言われています。
では、「日日辞書」はご存知ですか?
「そんなものは無い!」と思ったあなた、早とちりですよ。
英英辞書は、英語の意味を英語で説明したものです。とすれば、日日辞書は日本語の意味を日本語で説明したものということになります。
そう、日日辞書とは単に「国語辞書」のことを言っているのです。当然、国語辞書はみなさんご存知ですよね。少なくとも一度は手に取った事はあるのではないでしょうか。
「読む」段階で行うこととは、ひたすらに国語辞書を引くことに等しいと思ってください。
1つの日本語を知る。その日本語の意味を調べる。また新しい言葉を知る。さらに調べて………と繰り返して、「言葉の数珠つなぎをひたすら続けていく」イメージです。
あの言葉とこの言葉は似たような意味で、その言葉とあの言葉は似てるけど意味が真逆だな、と言ったようにとにかくたくさんの言葉の関係性を蓄えることが大切です。
「わかりにくい」は大事なサイン
本を読んで「なんだか読みにくいなぁ」とか、動画をみて「この人の話は全然内容が入ってこないなぁ」と感じた事はあるでしょうか?
そういった「わかりにくい」と感じるのは大きく2つの理由があります。
1つは単に語り手の言葉の扱いが下手な場合。主語と述語の関係がめちゃくちゃだったり、接続詞の使い方が下手だと誰が見聞きしても非常にわかりにくいと感じます。これはもうどうしようもないので、反面教師とするくらいしかありません。
もう1つは、語り手が使う言葉を自分が知らない場合です。
例えば、話し方は上手で丁寧だったとしても、使っている言葉が専門用語ばかりで全く理解できない、というような場合です。
昔の本を原文で読んだり、海外の本を翻訳したものを読んだりしたときも同じです。その土地その時代の価値観に依存した言葉は、現代の僕たちが理解するのはなかなか骨が折れます。
こういった「自分が知らない言葉」に出会った時は、逆に「新しい言葉に触れるチャンス」です。
新しい言葉に触れる事はすなわち新しい価値観に触れることと同じです。
そのことこそが「ことば力」を身につける本質の部分なのです。
読むことを楽しむための意識づけ
とはいえ、辞書を引くような意識で本を読んだり、わかりにくいと感じるテレビやYouTubeを見ても疲れるばかりでちっとも面白くありませんよね。それでは私もおすすめできません。
読むことを楽しんでこそ、習慣としてことばに触れることができるようになります。なのでいくつか読むことを楽しむアイデアをご紹介します。
好きな言葉に触れる
まず、自分が好きだと思える言葉に触れることが一番です。好きな作家、好きな雑誌、好きなタレント、好きなYouTuber、その人たちが使う言葉なら、例えわかりにくかったりしても読んだり聞いたりできるはずです。まずは「言葉に触れる」という意識を持って、これまで好きで見聞きしてきた言葉に改めて触れてみましょう。
違いを見つける
言葉に触れるとか、好きとか嫌いとか、わかりやすいとかわかりにくいとか、そんな事は放っておいて、ただ言葉の違いに注目してみるのはいかがでしょうか。
例えば、今年の4月に全国に緊急事態宣言が出されたときのニュースを覚えているでしょうか?
僕はNHKのニュースで全国の都道府県知事と安倍総理、それぞれの使う言葉の違いを見て面白いなと感じていました。
初め、安倍総理が「今後は新しい生活様式にシフトしていく」という表現をしている会見の映像が流れました、そして都知事、大阪府知事、北海道知事と会見の様子が流れ、さらにとある県知事の会見の様子が流れた時には、次のような言葉を使っていました。
「一刻も早く、県民のみなさまが元の生活に戻れるよう全力を尽くす」
さて、安倍総理とこの県知事の言葉の違いがわかるでしょうか?全くもって本質の違う言葉を使っていますよね?
とまぁ、何かを批判したいという話ではなくて、退屈で鬱々としがちなコロナ関連のニュースでも、「誰がどんな言葉を使ってるのかな?」とその違いを見てみると案外面白いものです。
そんなことを考えていると、普段気にしていなかった言葉に触れる機会が生まれます。
ギャル語、ネットスラング
ギャル語やネットスラングというのは、本当に面白いアイデアで新しい言葉の表現をしています。
「怒る」という言葉が「激おこプンプン丸」という言葉に訳されるわけですから、なんともまぁ、不思議です。
そういったネタ的な言葉でも、「実際に使っている(いた)人がいる」という事は一つの事実です。気楽にそういう言葉に思いを馳せる時間も、たまにはあってもいいんじゃないかと思います。
名言、かっこいい言葉
映画や漫画の名言、歴史上の人物の名言などは調べるとテンションがあがりますよね。
僕は仮面ライダーが大好きですが、それぞれのライダーには決め台詞や名言があって、それらをみるだけでエネルギーが湧いてきたりします。
最初の好きな言葉に触れると同じことですが、名言やかっこいいと思う言葉を集めるのはとてもおすすめです。
まとめ
さて、ことばの磨き方の1段階目である「読む」ことについて、なんとなくご理解いただけたでしょうか?
あれこれと言いましたが、とにかく「たくさんの言葉に触れる」ということだけ意識してもらえれば良いかと思います。
自分で思っている以上に、人の生活は言葉で溢れています。
椅子だって机だって、空気だって感情だって、目に見えるものも見えないものも、口に出してしまえば全て言葉です。
この記事を最後まで読んでくださった方なら、特別な意識をしなくとも身の回りにある全ての言葉が自然と少しずつ頭の中に蓄積されていくはずです。
「それになんの効果があるのか?」
それを期待するのはまだまだ時期尚早です。
「読む・書く・聞く・話す」の4つの段階をぐるぐると回るうちに、やがてその効果がわかるようになります。
それでも、次の「書く」という段階と今回の「読む」という段階を繰り返すだけでも、徐々に変化を感じることができると思います。
むしろその変化を感じるための段階が次回の「書く」段階だとも言えます。
それでは次回もお楽しみに!