わたるデザイン企画

WEBサイトの情報を整理する

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こんにちは!こんばんわ!
札幌でフリーデザイナー・コーダー・コピーライターとして活動しています、わたるデザイン企画の五十嵐です!

今日はWEBサイトを作る時に重要な「情報の整理」ということについてお話ししようと思います。

どんなにきれいでかっこいいデザインのWEBサイトを作っても、中に入っている情報が支離滅裂であれば何も伝わることはありません。

まず「どんな情報をどうやって伝えるのか?」ということをしっかりと整理できないことには、WEBサイトは成り立たないということです。

どうしてもWEBサイトを作る、デザインをするというと見た目のきれいさを作る技術を重視しがちですが、この情報を整理するという力はそれよりももっと大事な力だと思います。
僕が「ことば力を磨きましょう」と言うのもそういった理由もあります。

今回は「情報を整理する」ということを整理していきましょう。

情報とは

「情報を整理する」と言った時の「情報」とは一体なんでしょう?
現代は情報社会などとも言われますが、その「情報」とは何を指しているでしょう?

ちょっとこの質問に対して自分なりに考えてみてください。
考えたなら先に進んでください。

………

どうでしょうか?考えましたか?

なぜわざわざ考える時間をもうけたかと言うと、おそらく答えは人ぞれぞれ違うものになるからです。「ことば力シリーズ」の中でお話ししましたが、言葉の意味というのは人によって驚くほど認識が違うものです。

自分で考える意味とこれから僕が話す意味が違うということをいったん意識して欲しかったので考えてもらいました。

ではようやく本題です。
「情報」とは何か?
今回は「ことばの集合体」としたいと思います。

本当はもっと色々な意味が「情報」という言葉には込めることができますが、今回はあえてとてもシンプルに定義して考えます。

人は基本的に何か物事を認識する時に「言葉」で認識します。
例えば机の上にりんごが置いてあったとして、それを意識的に情報として取得する時には、

「机の上に」「赤い」「1つの」「りんごが」「置いてある」

というように視覚的に得た情報を1つずつ言葉で理解していきます。
りんごがそこにあるだけでは情報として扱えないですが、それを言葉に置き換えてあげることで「他人に伝えたり」「記録に残したり」できるわけです。

だからりんごが1つ置いてあるものが情報に置き換えられると「机の上に」「赤い」「1つの」「りんごが」「置いてある」という風にことばの集合体になるわけです。

ここで知っておいて欲しいことが2つあります。

1つは「情報には詳細度がある」ということです。
先ほどのりんごという情報も、

「りんごが」「置いてある」

とだけで表現することもできるし、

「木製の机の」「中央あたりの上に」「上の方が赤く下の方はまだ少し黄色い」「1つの」「りんごが」「置いてある」

というように細かく表現することもできます。
「机」という言葉をさらに「木製の机」と細かく分割して詳細に説明できるわけです。
こうした情報の詳細度をどこまで細かくするか、大雑把にするか、ということを設定することができます。

もう1つは「情報は紐付けできる」ということです。
ほどのりんごの情報をこんな風にしてみるとどうでしょう。

「机の上に」「母親が近所で買ってきた」「赤い」「1つの」「りんごが」「置いてある」

「母親が近所で買ってきた」という情報が追加されています。これは置いてあるりんごをみただけでは得られない情報です。
こういった情報は、「りんごが置いてある」という情報に「母親が近所でりんごを買ってきた」という別の情報を紐付けた情報です。
今わかる情報に加えて、過去の出来事や他からの情報をプラスすることで、情報量は増えていきます。

「情報を細かくする」ことと「情報を紐付ける」という2つのことをすることで、情報の量はほぼ無限に広げることができます。
そしてそれは全て「ことば」を分解したり紐付けたりすることで実行されるということです。

そうしてひとまとまりになった「ことばの集合体」のことを「情報」と呼ぶこととします。

ことばを集めて「情報」になる。
逆に情報を分解していくとたくさんの「ことば」が出てくる。
それが情報というものの性質です。

情報を整理する

さて、ではどうやって情報を整理するのか?というお話しなのですが、実はもうその実践をしてしまいました。

前の項目で僕は「情報という言葉を整理する」ことをやっていました。
「情報」というたった2文字の言葉を一度バラバラに分解して、それを「情報とはことばの集合体である」というひと言に再びまとめたのです。

実はこれが「情報を整理する」ということです。

ラジカセやラジコンを分解して、もう一度組み立てたことはあるでしょうか?
男性なら小さい頃に一度くらいやったことがあるかもしれませんね。

そのままだと「ラジカセ」という物体も、分解してみると「小さいネジ」「大きいネジ」「電子回路」「回路を繋ぐ銅線」「電池」「スピーカー」…などとたくさんのパーツに別れていることがわかります。そしてそれをもう一度組み立ててみると、「回路のこと部分とスピーカーがつながっているのか」「電池からの線は回路だけじゃなくてスイッチの部分のランプにもつながっているんだな」というように、パーツごとの関係性が見えてきます。

そうして組み上がったラジカセは、もうさっきまでのラジカセとは違う「整理されたラジカセ」となります。
分解する前まではただ「音のなる機械」だったのが、組み立てた後には「こういう仕組み・流れで音がなる機械」という認識に変わるわけです。

これが「情報を整理する」ということの基本です。

自分の会社のホームページを作る時、「自分の会社」という1つの言葉をとにかく細かく分解します。
いつ誰が設立して、どんな社員が何人いて、これまでにどんな仕事をして、どんな考え方でどんな人のために何をして、これからどうしていきたいのか、「情報を細かくする」ことと「情報を紐付ける」という2つのことを駆使して「自分の会社」という情報を膨れさせていきます。

その膨らんだ情報をもとに「WEBサイトを作ることの目的」に合わせて組み立て直していくわけです。
そうしてWEBサイトに必要な情報は整理されるのです。

まとめ

WEB制作がうまくいかない時、多くの場合が今回テーマとした情報の整理が不十分な場合です。

そもそも「情報を細かくする」ことと「情報を紐付ける」ことをしていない、だからそれを元に情報を再構築して整理することができない。こういったことが多いです。

これまでの記事でお話ししたように、そもそも「WEBサイトを作ることの目的」をしっかりと定めていることも大切ですが、その目的を設定する時にもこの「情報を整理する」力というのは必要になります。

そして最初に定義したとおり、情報とは「ことばの集合体」です。

僕が「ことば力を磨きましょう」と言っている理由がおわかりいただけたでしょうか?

WEB制作に限らず、何かを作り上げる時には必ずこの力が必要になるでしょう。