わたるデザイン企画

ネガティブを極める:脱ニートに効果的な考え方③

2020.10.31

脱ニート

読了目安時間:(約字)

脱ニートに効果的な考え方を考える時に、常に戦うことになるのが「やらない理由探し」の癖です。

効果的な考え方の1つ目「行動力の原動力」の中で特に詳しくお話ししていますが、「自分にとって本当に目指したいこと」であるにもかかわらず、どうしても「やらない理由」を探してきて行動しない方に寄っていってしまうことが、脱ニートをする上でとても厄介です。

それを解決する方法として、「否定できない気持ちを見つける」「自分をふかんで観る」という方法を解説してきましたが、今回もその方法の3つ目をご紹介します。

やらない理由を探す時には、大抵の場合「ネガティブな思考」をしています。

こうなったらどうしよう、、、
きっと失敗するだろうから、、、
自分にはどうせできないし、、、

というように、何か行動しようとした時にその「失敗のイメージ」を持ってしまうことで、その行動を妨げる「やめておこう」という判断をします。

そういったネガティブな思考が「やらない理由探し」をするメインの思考となるでしょう。

つまり、このネガティブな思考をうまいこと扱ってやることができれば、やらない理由探しをすることに歯止めを効かせることができるということです。

あらかじめ確認しておきますが、「ネガティブな思考が悪いものだ」と言っているわけではありません。人間誰しもネガティブな思考を持っていて、プラスもマイナスも含めて自分の思考、感情ですから、それが悪いものであるはずがありません。

ただ、自分目的や求める状態に対してネガティブ思考が「効果的でない」状態なのであれば、何かしら変えていかないとね、ということをお話ししていきます。

よく「ネガティブに考えちゃだめだよ、ポジティブにいかなきゃ」と頭ごなしにアドバイスを受けることもあると思いますが、それはあまり効果的でないと思います。
ネガティブでもポジティブでも、効果的に捉えることができれば良いのです。

今日は「ネガティブを効果的に扱う方法」についてのお話しです。

徹底的にネガティブる

例えば、バイトに応募してみるとしましょう。

求人を調べて、メールで応募の申し込みをして、返信が返ってきて、面接の日時が決まりました。履歴書を書いて、指定された日に面接に行き、面接をして帰ってきて、後日その結果がメールで送られてきます。

さて、そんなバイトの面接の応募をしよう!と考えた時、どんなネガティブが発動しますか?

僕がニートの時の思考を再現しましょう。

1、ネットの求人を見ながら「あぁ、楽しい職場とか言ってるけど、どうせ馴染めないんだろうなぁ」「職場で怒られたり、仲間外れにされたり、コミュニケーションができないせいで嫌なことあるだろうなぁ」

2、「メールで応募して、電話がかかってきたらどうしよう?電話嫌いなんだよなぁ。どもっちゃってその時点で不合格になるかもなぁ。メールで返事が返ってきたら良いなぁ」

3、「行ったことない場所だと不安だなぁ。入り口とかどこにあるのかなぁ。迷って時間に遅れたらどうしよう?」

4、「面接とか、やだなぁ。印象良いわけないし、ニートだし。ニートのこと色々聞かれるだろうなぁ。どうやっても履歴書に書くことないし、はぁ」

5、「もう考えるのヤダなぁ。応募したくないなぁ。とりあえず今日は調べるところまでやったからいいか」

どうでしょう?これがニートの時の僕の思考の一部です。実際はそれぞれのネガティブ思考のボリュームがもう少し多かったですが、基本的には同じことを繰り返し考えているだけなので省略しました。

こんな感じで、何か行動しようとした時には何かしら先のことに対してネガティブな結果を想像して、それでだんだんと気持ちがしょんぼりとして考えるのをやめてしまう、というのが「やらない理由探し」の基本的なスタイルです。

ここで「やっぱりネガティブに考えるからだめなんだ!さぁポジティブになろう!」というのは早とちりです。そもそもそんな簡単にポジティブに考えを切り替えられるなんてことはできません。

ここで効果的なのは「徹底的にネガティブを突き進むこと」です。

ニートであることの最大の利点はなんでしょう?ニートであることの強みと言ってもいいでしょう。

「そもそもニートであることに強みなんてあるの?」と思う方もいるかもしれませんが、あるんですよ。その強みのおかげで今の僕があると言っても過言ではないくらい、重要な強みがあるんです。

それは「時間がたっぷりとある」ことです。

バイトの応募をしようかどうしようか、ってことを丸1日、あるいは1週間、下手すると1ヶ月間考えることができるのがニートです。

どうせ何をしても何を考えても行動しない限りはニートのままなわけですから、試しに徹底的にネガティブになってみたら良いんです。

ネガティブな想像をすると苦しいでしょう。苦しくなったらまた明日、続きからネガティブを進めれば良いんです。
そうやってとにかくネガティブを進めてみましょう。

バイトの面接に行って、帰って来るまでのシミュレーションをたくさんしてみましょう。最悪の結果を考え続けるのです。
そうやって考えてみたらどうでしょうね?かなり最悪の状態が想像できたのではないでしょうか?

最悪の状態を想像しきったら、今度はちょっと視点を変えます。

そこまで最悪を考えたら、もう現実に起こることって怖くなくね?

と、思えません?

面接官に罵詈雑言を浴びせられて泣きながら逃げ帰るのを想像しました?
バイトに受かって、同僚にいじめられて辛い日々を過ごすのを想像しました?
バイトの面接の帰りに車に撥ねられて死んでしまうのを想像しました?

その最悪の状態をすでに想像したなら、実際にそれよかマシな状況だったら「あぁ、想像のほうがよっぽど最悪だな」って思えると思いません?

もう少し極端に考えてもいいですよ。

明日朝起きたらニートの人権はなくなっていて、奴隷のごとく無理やり働かされて血反吐はきながら引きずり回される、なんていうことを想像してみましょうよ。

で、実際朝起きたらどうです?昨日と同じ、ただのニートとして目覚めますよね?確かにニートでいることは血反吐はくくらい自己嫌悪を感じるかもしれませんが、人権を奪われて拷問を受けるのと比べりゃ大したことないですよね?

そんな起こり得ないことを想像するのと比べるなって思うでしょうか?

でも全ての想像も同じことですよ。「まだ起こってもいないことを考えている」のは同じでしょう?過去に似たような経験はあったかもしれませんが、それはあくまでも過去の話です。これから起こることにはなんら関係ありません。

つまり、徹底的にネガティブになって考えてみたことを、超えるようなネガティブな現実なんて起こり得ないんです。もしそんなことが起こったとしたら、多分笑えるくらいとんでもない状況でしょう。それはそれで逆に面白く感じてしまうほどに。

普通の人が考えないくらいネガティブに考えてみましょう。
徹底的にです。約束は1つ。
最後には必ず「そんなこと起こるわけない!」ってところまで考えること。

下手に現実味のあるところで考えるのをやめると、とにかく辛くなるだけです。辛くなりすぎると、とんでもない行動をしてしまうこともありますから、徹底的に「そりゃもうフィクションだろ」ってところまで考えてください。

そしたらきっとさっき言ったように、
「それと比べりゃ現実に起こることなんて大したことない」
となぜか少しポジティブな考え方になっているはずです。

僕はこれをネガティブの逆転と呼んでいます。

要は、どん底まで落ちたらあとは上がるだけ、という良く言うやつです。それを意図的にやるんです。

あとは1つコツをお教えすると、ただ考えるのではなくそのネガティブな思考をちゃんと「書く」ことをおすすめします。前回話した「ふかんで観る」ための施策です。これも合わせてやることで効果が出やすいはずです。

ネガティブは最高の準備

精神論だけではなく、より実用的なネガティブの活用法もお教えしましょう。先ほどのネガティブ思考の例を再び見てみます。

1、ネットの求人を見ながら「あぁ、楽しい職場とか言ってるけど、どうせ馴染めないんだろうなぁ」「職場で怒られたり、仲間外れにされたり、コミュニケーションができないせいで嫌なことあるだろうなぁ」

2、「メールで応募して、電話がかかってきたらどうしよう?電話嫌いなんだよなぁ。どもっちゃってその時点で不合格になるかもなぁ。メールで返事が返ってきたら良いなぁ」

3、「行ったことない場所だと不安だなぁ。入り口とかどこにあるのかなぁ。迷って時間に遅れたらどうしよう?」

4、「面接とか、やだなぁ。印象良いわけないし、ニートだし。ニートのこと色々聞かれるだろうなぁ。どうやっても履歴書に書くことないし、はぁ」

5、「もう考えるのヤダなぁ。応募したくないなぁ。とりあえず今日は調べるところまでやったからいいか」

この5つのネガティブのうち、1と5に関しては特に活用法がありません。1はせいぜい前項で話した徹底的なネガティブ思考に使いましょうか。5は、ここまで考えたら今日はもう寝ましょうという指標にしましょう。

2〜4のネガティブについて、実はこれは「対策ができるネガティブ」です。

例えば「メールで応募して電話でかかってきたらどうしよう?」というネガティブですが、こんなのは単純に電話番号を記載しないとか、メールでの対応希望とか、そういう風にあらかじめ対策ができるでしょう。

3は当然調べて行けばいいし、なんなら下見に行ったっていいでしょう。ニートだからその時間は十分あります。

4に関しては、ニートについて聞かれると想像できるなら、ニートについて話すことを考えておけばよいのです。僕が外に出て一番聞かれたのは「ニートって普段何してるの?」っていうことです。雑に返すなら「何もしてないからニートなんだよ!」とか、丁寧に返すなら「朝は普通に起きて、ご飯を食べて、テレビを見たりネットを見たり本を読んだりしてます」とか、実際にやってることを(言える範囲で)言えば良いのです。まぁ、大抵の場合言いたくないことだったりするかもしれませんが、最悪もう二度と合わない相手だと思って思いっきり話してみると、ニートの話なんて珍しいので案外興味深く聞いてくれるものです。

といった具合に、ネガティブで考えてたことというのは「心配事の予防」という観点で考えると非常に有効な情報です。

実際に予防として考えたことを実践できなかったり、思ってたことと全然違うことになるというのも当たり前にあることですが、でもまず「行動する」ということに置いて、「これだけ予防策を考えたぞ」というのは、必ず後押しになるはずです。

大事なのは「行動が成功すること」ではなくて、「まず行動をすること」だと考えれば、予防策が当たろうが当たるまいが、行動できた時点で大成功です。

そんなふうに、ネガティブで考えることは脱ニートにおいて実は効果的に作用することがあるわけです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

少し乱暴に論じてしまいましたが、これは実際に僕が脱ニートするときに非常に役立った考え方です。

今でも当時のノートには、散々ネガティブに考えた後に「なにも、死にやしない」と一言書いてあります。

もちろん、事故や事件に巻き込まれていつ死んでしまうかなんてわかりませんが、バイトの面接にいくくらいでそれほど深刻なダメージを負うことなんて、まぁないわけです。

仮に命が危険に晒されるようなことがあったり、深刻な精神的なダメージを負ってしまったとして、「このままニートでい続ける人生」と何が違います?

ニートでいることだって辛い、外に出ることだって辛い。じゃあ同じ辛いのなら「辛さから抜け出せる可能性のある方」に動いてみたって、何も損はしないんじゃないですか?

外に出て巻き起こる最悪な事態と、現状がただ続くという事態、本当に最悪なのはどっちなのか?

ということを自分に問いかけるときっと、自分の本心が現れることと思います。

その本心を大事にして、勇気に変えて、行動をする力にしてもらいたいと思います。

ニートの強みは時間があることです。

その本心をじっくり育てましょう。