わたるデザイン企画

ことば力を磨く④「話す」

2020.06.19

ことば力

読了目安時間:(約字)

札幌でフリーデザイナー・コーダー・コピーライターとして活動しています、わたるデザイン企画の五十嵐です!

「ことば力を身につけるシリーズ」の第六回は『ことば力を磨く④「話す」』です。
この「話す」段階はこれまでの「読む」「書く」「聞く」の3段階とは少し違い、この3つの段階をよりブラッシュアップしていくためのサポート的な段階となります。
サポート的な段階とはいっても、絶対に欠かせない重要な段階ですので、ぜひ意識できるようになってもらえたらと思います。

前回までの記事をまだ読んでないよという方は是非こちらから読んでみてくださいね!

第一回 「ことば力」とは何か?
第二回 ことば力の磨き方
第三回 ことば力を磨く①「読む」
第四回 ことば力を磨く②「書く」
第五回 ことば力を磨く③「聞く」

「わかったつもり」を壊す

読む段階でたくさんの言葉に触れて、書く段階で使える言葉を増やして、聞く段階で言葉の意味のバリエーションを増やして、さぁついにコミュニケーション実践の「話す」段階だ!という風になっているかと思いきや、実はそうではありません。

「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つはあくまでも「ことば力を磨く」ための習慣作りの4段階なので、「話す」段階もやはりことば力を磨く訓練です。

そして、話す段階の1番の役割は「失敗すること」です。

たくさん言葉を知って使えるようになって、相手の使う言葉の意味を考えるようになってくると、まるで「全ての言葉の意味がわかったような気になる」時があります。

相手の言葉を聞いた時に「あ、この人は今こんな意味であの言葉をつかったな。じゃあきっとこう思っているに違いない!だからこの言葉を使ってアプローチしてみよう!」なんていう風に、まるで心理学のプロフェッショナルになったかのように勘違いすることが増えます。

確かに使える言葉の量が増え、相手の言葉から意味を推測する力が養われると、相手や自分の心情を理解したような感覚にはなります。しかしそれは「わかったつもり」でしかありません。

前回の聞く段階でもお話ししたように、人の心や感情は100%理解できるというものではありません。
どんなにことばを扱えるようになってもそれは変わりませんし、そもそも「理解すること」や「相手を意のままにコントロールすること」が「ことば力を磨くことの目的」ではありません。

コミュニケーションをより効果的に、より深く行うことがことば力を磨く目的ですが、その中には「コミュニケーションとは難しいものなのだ」という前提をしっかりと意識することが含まれています。
コミュニケーションとは得てして「失敗するもの」だという意識を持つことで、ひと言ひと言を大切に考えて扱うようになれると思うのです。

そして「失敗するものだ」という意識を持つにはどうすれば良いかというと、ずばり「失敗」すればいいのです。
そのための段階が「話す」段階です。

どんなに言葉を扱えるようになっても、「わかったつもり」にならないでことば力を磨き続けることが大切です。

何をもってして「成功」なのか?

失敗するということは、何かしら成功があるということです。
ですが、コミュニケーションにおいての成功や失敗とはいったいなんでしょうか?そのことをはっきりとさせておかないと、失敗することも成功することもできませんよね。

何が失敗で何が成功か、それはその時々の目的や目標によって変わります。

例えばセールスマンがお客さんとコミュニケーションをとる時も、商品やサービスを売ることが目的なのか、商品について知ってもらうことが目的なのか、それともただ親睦を深めることが目的なのか、状況によって違います。

何事もそうなのですが、あらかじめ得たい結果をしっかりとイメージしていないことには、成果は得られません。
何も想定しないでただ得たものは結果であり、本来は良し悪しのあるものではありません。結果と、あらかじめ決めていた得たいもの、それを比べて良いか悪いかという成果になるわけです。

コミュニケーションも同じで、相手とのコミュニケーションを通じて何を得たいかをあらかじめ決めておかないことには、失敗も成功もありません。

「話す」段階では失敗することが大切だという話をはじめにしましたが、失敗するためにはあらかじめ得たいものを決めておかなくてはならないということになります。

普段の仕事、生活の中で「ことば」を使ってコミュニケーションをとる機会を見つけて、その時々で「こんな風にコミュニケーションできたらいいな」「コミュニケーションを通してこうなったらいいな」という目的や目標を多少でもいいから決めておく習慣をつけていきましょう。

失敗するためのアイデア

では具体的に、日々「話す」ことの中でどんなことを意識して失敗していけば良いのか、そのアイデアを少しご紹介します。

人前で話す

仕事などでプレゼンテーションなど人前で話す機会がある方は、話すことを意識しやすいので是非活用しましょう。

仕事のプレゼンテーションで失敗はしたくない!と当然思うでしょうが、もちろん進んで失敗しにいく必要はなくて、あくまでも「目的を設定して話すことを意識する」ことができれば良いです。プレゼンテーションはそもそも目的を持って行うことがほとんどなので、成功か失敗かを判断しやすいので、普段プレゼンテーションの機会がある方はことば力を磨く習慣に取り入れてみると良いと思います。

ちなみに、意識すべき点の例としては、

・同じ言葉でも伝わる人と伝わらない人がいたか?
・想定したリアクションと違うところはあったか?
・同じことを違う言葉で説明した箇所はあったか?

などなど。自分が使う言葉と相手のリアクションを照らし合わせてみると良いかと思います。

趣味を紹介する

仕事などでプレゼンテーションの機会のない方でもできるプレゼンテーションが「趣味を紹介する」です。

普通の会話の中でも趣味の話というのは定番ですが、自分の趣味を相手に紹介するというのもしばしばあるかと思います。

しかし、趣味の話というのは会話のとっかかりとしてはよく使いますが、本当に興味があって聞くことは少ないんじゃないかと思います。会話が途切れないように仕方なく聞く(話す)ことが多い趣味の話は、仮に「趣味に共感してもらうことを成功とした場合」には「失敗することが確実なプレゼンテーション」とも言えます。

自分の趣味に興味のない相手にその趣味の話をするのだからうまくいかなくて当然とも言えますが、逆にいろいろな言葉のチョイスを試しやすいチャンスでもあります。

どうせ趣味に共感してもらえないのだから、思い切って普段使わない言葉を使いながら反応を楽しんでみましょう。(偏見が若干多め)

感想を言う

何かしらのセミナーや交流会などに参加した時、あるいは映画や漫画などを観たり読んだりしたあと、その感想を話す機会はありますでしょうか?

僕は昔からこの「感想を言う」というのが当たり前の環境に育ったので、みんなそうだと思ったら人によっては感想を言うのは好きじゃなかったり好んでしないということもあるようなので、もしそういう機会がある人は「話す」機会として使ってみると良いかと思います。

感想を話すというのは、自分の感じたこと、つまり感情を言葉にするということです。これが苦手な人も多いかと思いますが、ことば力を磨くのこれまでの3つの段階と、実際に話してみる機会をたくさん経ていけば苦手意識も薄れていく思います。

何より、うまく話せない、表現できないことが前提ですから、それに慣れてしまえば怖いものなしです。

感想を言う時のコツとしては、

・どこで一番心が動いたか?
・何対して何を思ったか?
・明日から何か行動を変えようと思うことはあるか?

などの内容を意識すると感想としてまとまりがでてくるかなと思います。

ただ、感想を言うことの難しいところは「目的を持ちにくい」というところです。感想を言うことで何かを得ようということがそもそもあまりありません。
なので、あくまでも自分の感情を言葉にする訓練と思う程度で良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

これまでの3つの段階に比べると「これなんか意味ある?」と思うかもしれませんが、実際に「読む」「書く」「聞く」をやってからいざ「話す」ということを意識すると、「やっぱうまくいかないなぁ」と実感すると思います。

その実感が「もっとことばについて考えよう」という気持ちを育ててくれるので、再び他の3つの段階をぐるぐるとやっていくことにつながります。

4つの段階の中では一番テクニック的な部分に近いことをしていきますが、大事なのはテクニックではなくて「ことば力」。「ことばって難しいなぁ、どうしたらいいかなぁ」と考えることです。

これでひと通りことば力を磨く方法についてお話しできましたが、次回はこれまでのまとめと、改めてことば力を磨く意味、そしてことば力を磨いて何をするのか?ということについてお話しして、このシリーズを締めたいと思います。

ではまた次回!